第183章

狂気が滲む彼の表情を見て、私は冷ややかに笑った。

林田翔太がこの離婚届にそう簡単にサインするはずがないことも、親権を手放すまいと抵抗することも、最初から分かっていた。

だからこそ、こちらも相応の手段を用意していたのだ。

「あくまでもサインしないつもり?」

私はスマホを取り出し、警察への通報画面を表示させる。

「もしサインしないなら、このまま通報するわ。自分が何をしたか、胸に手を当てて考えてみなさい。潔白だなんて言わせないし、警察の捜査が入っても平気だなんて思ってないでしょ?」

「私と離婚するか、それとも婚姻関係を継続したまま刑務所に入って、そこから私が離婚訴訟を起こすか。結末は同...

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