第187章

「確かに、大した金額ではありませんよ」

 私にとってはそうでも、彼らにとっては喉から手が出るほどの大金なのかもしれない。

 小村望はさりげなく話題を変えた。

「ところで、陽菜ちゃんはそっちで元気にしてますか?」

 私は頷いた。

「陽菜はとてもいい子にしています。ただ……居心地が良すぎて、家に帰りたくないなんて言い出さないか、それだけが心配で」

 小村望は軽く笑った。

「それなら安心ですね。なにせ自宅にいても、僕は稼ぐのに忙しいし、母親のほうも滅多に帰ってこない。由依さんのところで家庭の温かさを知って、楽しく過ごせているなら何よりです」

 私は思わず眉をひそめた。

「お義兄さ...

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