第198章

小村望が、ためらいもなく林田美玲の居場所を教えてくれたことに、私は少なからず驚いていた。

私の記憶にある小村望は、林田美玲を深く愛していたはずだ。彼女を裏切る理由など、どこにもないと思っていたのに。

けれど、彼が先ほど口にした言葉――林田美玲が実の娘を東南アジアのような危険な場所に送ろうとしていたという事実――を思い返し、彼がそうするのも無理はないと思い直した。

虎でさえ我が子は食らわないというのに、東南アジア? あそこは人を食らう魔窟だ。あんな可愛い陽菜ちゃんをそんな場所に送り込めるなんて、彼女の心にはもう親子の情など欠片もなく、陽菜ちゃんへの愛も消え失せているのだろう。

だから、...

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