第20章

腹が立って、今すぐ乗り込んであのクズ共の不貞の現場を押さえてやりたい衝動に駆られた。けれど、まだその時ではないことも分かっていた。

中の声は様々に変わり、しまいには女の喘ぎ声と男の低い唸り声になった。

中で何が行われているのかを瞬時に悟り、吐き気を催すほどの嫌悪感に襲われ、その場をすぐに離れた。

その夜は悪夢にうなされた。林田翔太と田中奈美の不貞の光景が頭から離れず、まともに眠ることなどできなかった。

朝起きると、田中奈美が殊勝な態度で朝食を運んできた。だが、その目元に滲む艶っぽさは、昨夜何があったのかを隠しきれてはいなかった。

そして林田翔太の顔にも満足感が浮かんでおり、口元には...

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