第201章

「田中美咲、私に電話なんてしてきて何なの?」

 受話器の向こうで、田中美咲がくすりと笑った。

「お姉さん、私のこと恨んでるでしょう? この前の奈菜さんの件、私にも責任があるしね」

 私は鼻で笑い飛ばす。

「奈菜のことだけ?」

「ああ、そうそう。林田健のこともあったっけ。すっかり忘れてたわ。でも本当のこと言うと、あれは私のせいじゃないのよ」

 彼女はわざとらしく溜息をついた。

「まあいいわ、詳しい話はまた今度。電話じゃ不便だし」

 私は眉間の皺を深くした。

「田中美咲、よく考えてみて。家に来た当初、私は本心からあなたを受け入れようとしていたのよ。あなたがこちら側に付くと決めた...

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