第207章

その時、唐突に病室のドアが開いた。

現れたのは――林田翔太だった。彼は私のベッドサイドにいる西田蓮を見ると、狐疑の眼差しを私たちの間で往復させた。

「北村由依、いい手を使ったな。俺と離婚するために必死だったのは、この男と一緒になるためか?」

ちょうどいい。胸に溜まったおりを吐き出す場所を探していたところだ。格好のゴミ捨て場が向こうからやって来てくれた。

私は冷ややかな視線を林田翔太に突き刺す。

「まだ生きてたの? 私なら、恥ずかしくてこの世になんていられないけど」

翔太は虚を突かれたように顔を歪めた。

「どういう意味だ? 俺は好意で見舞いに来てやったんだぞ。なんだその口の利き方...

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