第21章
林田翔太は明らかに私の罵倒に効いたようで、顔を黒くしたが、それでも無理に私を慰めようとした。
「何を言うんだ? 俺が浮気相手を探すわけないだろう? 愛してるのはお前だけだ。心にはお前以外の誰もいない」
私は鼻で笑った。もし彼の中でそれが愛だというのなら、彼の愛はずいぶんと安っぽいものだ。
私はベッドに横になり、彼を追い払う。「眠いから少し寝るわ。あなたも用がないなら帰って」
林田翔太は立ち上がり、不機嫌そうな顔で出て行った。
誰のせいでもない。林田翔太という男が、これほどまでに選り好みをしないのが悪いのだ。罵られて当然だ。
その時、ふと枕の中の携帯が震えているのを感じた。
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