第215章

北川歩美はこくりと頷くと、足早に出て行った。

しかし、路地という路地をくまなく回っても、直也の姿は見当たらなかったようだ。

戻ってきた彼女は私に尋ねた。

「由依さん、直也くん、どこへ行くとか言ってませんでした?」

私は少し意外に思った。

「え? まさか見つからなかったの?」

「あの子、いつもこの近所で遊んでるのに」

北川歩美は首を横に振る。

「いいえ、いつもの場所は全部見て回りましたけど、直也くんの姿はありませんでした」

私は眉をひそめた。

「お隣さんは聞いた? 近所の家も当たってみて。あの子なら、お邪魔してるかもしれないし」

北川歩美は頷き、すぐにまた飛び出していった...

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