第232章

西田蓮は慌てて手を振った。

「誤解しないでください。俺たちは警察です。佐々木梨乃について調べに来たんです」

 それを聞いた途端、一人のおばさんが急に興奮し出し、あれこれとまくし立て始めた。

「ほら、私の言った通りじゃないか。あの子、外で何かやらかしたんだよ。じゃなきゃ戻ってくるわけない」

「器量だけはいいからね。男なんて選び放題だろうに、わざわざこんな何もないところに戻ってきて、貧乏暮らしに耐えられるようなタマじゃないよ」

「やっぱり何か犯罪でも犯したんじゃないのかねえ。しかも、どんな罪だか分かったもんじゃない」

 噂話はどんどん飛躍していく。私と西田蓮は顔を見合わせ、口を挟む隙...

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