第233章

西田蓮にそう言われて、私ははっとした。家族もきっと、私の連絡を待っているはずだ。今この瞬間、彼らの心中も私と同じくらい張り詰めているに違いない。

私は慌てて実家に電話をかけ、無事に子供を取り戻したことを伝えた。

母は興奮していた。受話器越しでも、その声が涙で震えているのがわかった。

「見つかってよかった、本当によかった……。早く、あの子を連れて帰っておいで」

「ええ。明日は海市に戻って、明後日には仁和市に帰れると思う」

仁和市に戻れば、ちょうど入札会が始まるタイミングだ。蛯原理久がどんな手を使おうとも、私の手から子供を奪うことはできないし、これ以上私を脅すこともできないだろう。

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