第236章

北川歩美は小さく頷いた。「ええ、わかったわ、由依。少し休みなさい。ずいぶん疲れたでしょう」

私は首を横に振る。実際、ちっとも辛くはなかった。道中、子供はずっと西田蓮が抱いていてくれたし、機内で私はずっと眠っていたのだから。

ちらりと西田蓮に視線を向ける。彼は今、慈しむような眼差しで子供を見つめており、その顔には疲労の色など微塵も浮かんでいなかった。

子供を取り戻せたことに関して、誰よりも感謝すべき相手は彼――西田蓮だということは、痛いほどわかっている。

私は歩み寄り、彼の袖をくいと引っ張った。「何してるの? 早く帰って休んでよ。来る途中、ほとんど寝てないじゃない」

しかし、西田蓮は...

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