第242章

「覚えてないな。それがどうかした?」

西田蓮はさりげなくこちらを一瞥したが、その声には相変わらず何の感情も乗っていなかった。

「あの子、もう結婚しちゃったんだよ。あの頃、全校生徒に知れ渡るくらい派手に告白したのに、蓮さんが頑として相手にしなかったこと、覚えてる?」

夏井汐音はそう言って笑い出すと、西田蓮の肩にもたれかかり、鈴を転がすような笑い声を上げた。

「当時、みんな蓮さんのことゲイじゃないかって疑ってたんだから。だって、今でも独り身でしょう?」

「そうそう、なんであの子を振ったの? あの白人の子、実家はかなりのお金持ちだし、すごく美人だったのに」

私も西田蓮の横顔に視線を向け...

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