第290章

母さんも私の後をついて外に出てくると、向こうで話し込んでいる西田蓮と直也の姿を見て、思わずといった様子でため息をついた。

 すぐ隣にいたから、その音ははっきりと聞こえた。

 私は振り返って母さんの手を取り、小声で尋ねる。

「お母さん、どうしたの?」

 今の状況が厄介だとでも思っているのだろうか。

 実のところ、西田蓮が家に来るにあたって私が一番心配していたのは、この前の誤解のせいで母さんが彼に対して何か思うところがあるんじゃないか、ということだった。

 母さんは間違いなく私の味方だ。

 けれど以前、西田蓮が我が家に見せてくれた気遣いは、母さんに「西田蓮は確かにいい人だ」と思わせ...

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