第305章

そうすれば彼もすぐに松本弘之に連絡をとって、調査を頼めるだろう。

私は頷き、西田蓮に自分の仕事を続けるよう告げた。私のことは気にしなくていい、と。

西田蓮はようやく車を出して去っていった。

そのまま私は会社へと戻った。入り口に差し掛かると、すぐにアシスタントの永瀬里美の姿が目に入った。

「北村社長……」

私のオフィスの前にいた永瀬里美は、大きな声を出しそうになって、はっと何かを思い出したように慌てて口を押さえた。そして、オフィスのドアをちらりと見やる。

「例の盗聴器に聞かれるのが心配?」

彼女の様子を見て全てを察した私は、笑いながらからかった。

彼女はこくりと頷く。

「今は...

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