第308章

そういえば、私は彼岸花という人間に対して、恐怖を抱いているわけではない。ただ、あの男が握っている手がかりがあまりにも多すぎると感じているだけだ。

それに、彼の手駒も相当に優秀なはずだ。あらゆる方面に根を張っているに違いない。でなければ、あの翔太がこれほど長きにわたって好き放題できるはずがないのだから。

警察から釈放された後も、事あるごとに姿を現しては存在を誇示してくる……。

しかも、折に触れて私を脅迫してくる始末だ。

そうした事実を認識するたび、胸の奥がざらつき、不愉快な気分になる。

そう思い至り、私は蓮の手をぎゅっと握りしめて言った。

「ねえ、知ってる? 今の私、怖いというより...

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