第323章

北川歩美は私を見つめ、その美しい瞳を涙で潤ませていた。明らかに感動している様子だ。

「ありがとうございます、由依さん。こんな私のつまらない心情を、あなただけが聞いてくださる」

私は慌てて手を振り、言葉を返した。

「何言ってるのよ。奈菜たちだって、ちゃんと聞いてくれるわよ」

北川歩美は泣き笑いのような表情を浮かべる。

「だって、あの方たちは由依さんほど私と親しくないじゃないですか! 私は最初からずっと、おそばにいるんですから」

「それもそうね。私は本当に、歩美ちゃんを妹みたいに思ってるから。何かあったらすぐに言って。ひとりで抱え込まなくていいのよ」

北川歩美は素直に何度も頷いた。...

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