第330章

誰かとコミュニケーションを取ろうとする時、ある程度の理解を示さなければならないことは分かっている。そうして初めて、相手に対話を続ける余地があると感じさせることができるのだ。

 そう口火を切って、私は小村望に語りかけた。

「実は、そんなに考えすぎる必要はないんですよ。あの日、あんなふうに言ったのは、子供たちももう大きくなってきたし、いつまでも小さい頃のようにベタベタするわけにもいかないだろうと思っただけで……」

 私は小さく溜息をつき、ひどく憂鬱そうな声音を装った。

「でも、私だってやっぱり寂しい気持ちはあります。それに帰ってきてから直也が言っていたんです、陽菜ちゃんのことが本当に好き...

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