第338章

西田蓮が追いついてきて、私の背後でふっと息をつく気配がした。

「安心しろ。取って食ったりしない。ただ送っていくだけだ」

 テントに戻る道すがら、私の心臓はまだ早鐘を打っていた。

 今日の出来事すべてが、妙に胸をざわつかせる。不慣れな場所にいるせいかもしれない。

 けれど、肝心の手がかりについては今日も収穫ゼロだったことを思い出し、私は思わず溜息を漏らした。

 テントに戻ると、直也はまだ小林奈菜と上村愛美の二人に捕まっていた。

 愛くるしい直也の手を握り締め、二人は声を潜めて学校での様子を聞き出しているようだ。

 学校はどうだとか、友達にいじめられていないかとか。そんな質問に、直...

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