第347章

小村望なら、まずは礼儀として愛想よく承諾してくれるものだと思っていた。

 だが予想に反して、私の言葉を聞いた彼は、慌てたような口調でこう言った。

「由依さん、お気遣いなく……この間会ったばかりですし!」

「それに、また陽菜を連れてお邪魔するのも、さすがに申し訳ないですから」

 その言葉を聞いた瞬間、私の心に疑念の雲が広がった。

 以前の小村望なら、私の誘いに対してこんな態度は取らなかったはずだ。それなのに、春城市への出張が決まった途端、この変わりようだ。

 もし私に対して警戒心を抱いているのなら、なぜわざわざ春城市のことを話したのだろうか?

 そこまで考えを巡らせると、私たちが...

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