第360章

直也を学校へ送る途中、立ち寄ったレストランで、私はつい西田蓮にその話を持ち出した。

「なんだか、もう家族全員を買収しちゃったみたいですね。これじゃ、あなたについていくしか道がないじゃないですか」

「どう思う? すべて俺の計画通りだよ。もう君は逃げられない」

 西田の言葉に、私は唇を尖らせる。

「口ではなんとでも言えます。もし先に心変わりして、私を捨てたりしたらどうするんですか?」

 私がそう言うと、小籠包を食べるために下を向いていた直也が、パッと顔を上げた。

「ママ! 西田さんがママをいらないなんて言うわけないよ!」

「おじさん、僕に言ってたもん。ずっと前からママのことが好きだ...

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