第368章

小村望は私に視線を向けると、念を押すように言った。「僕と林田美玲はまだ籍は抜いていませんが、君が経験した話を聞く限り、あの家は本当にろくなもんじゃないですよ。特にあの林田翔太は」

「ええ、そうね。でも思うに、彼はかつての地位か、担当していたプロジェクトを取り戻して、それをネタに私に金を無心するつもりなんじゃないかしら」

 小村望はコーヒーカップを口に運び、ふと視線をさまよわせた。「君の後釜として会社を管理していたわけですから、あのポストで相当甘い汁を吸っていたんでしょう。贅沢に慣れると質素な生活には戻れないと言いますし、今の生活に耐えられないのかもしれません」

 私は頷いた。

「その...

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