第376章

私は一瞬、言葉に詰まった。ぎこちない笑みを浮かべて、なんとか取り繕う。

「ううん……パパ、最近お仕事がすごく忙しいみたいで。私もすっかり忘れてたわ」

 西田蓮と顔を見合わせる。胸の奥で、じわりと嫌な予感が広がった。

 だが、ここまで来てしまった以上、陽菜を放っておくわけにはいかない。

 私たちはひとまず陽菜を連れて近くのレストランに入り、食事をしながら小村望の帰りを待つことにした。

 レストランの席についても、陽菜の様子はどこか落ち着かなかった。

 視線をあちこちに彷徨わせたり、手元のスマートフォンをぼんやりと見つめたりしている。

「どうしたの?」

 情緒が不安定なのを察して...

ログインして続きを読む