第384章

「今日のことはママが悪かったわ。電話に夢中で、あなたたちが出て行ったことに気づかないなんて……」

 だが、事態が収束して冷静さを取り戻すと、私の心には陽菜に対する恨み言めいた感情がふつふつと湧き上がっていた。

 私が電話をしている最中に、あの二人の子供は一言も発さずに勝手に出て行ってしまったのだ。私に声をかけることさえせずに。

 考えるまでもない。間違いなく陽菜が直也を連れ出したのだ。

 なぜなら、息子の直也は何をするにしても、無意識のうちに私へ報告を入れるような子だからだ。今日のような勝手な行動は、これまでに一度だってなかった。

 陽菜がこれからも我が家に居候し続ける以上、このよ...

ログインして続きを読む