第399章

直也の目元が瞬く間に赤く染まり、小さな鼻にしわが寄る。その表情は、いかにも悔しさを堪えているといった様子だった。

 私は慌てて声をかける。

「直也、まだ泣かないで」

「今日ね、お祖母ちゃんがあなたのことを心配して、先生に電話したの……クラスメートと少し何かあったって聞いたけれど、本当?」

 努めて穏やかな口調を心がけたつもりだが、その話題に触れるだけで、胸がちくりと痛んだ。

 学校で一体何があったというのか。私が尋ねただけで、こうも泣き出しそうになるなんて。

 直也は鼻をすすり、私を見上げた。

「お母さん……」

「もし嫌なことがあったのなら、教えてちょうだい」

 そう言いな...

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