第455章

 竹村先生の妙に含みのある様子が、胸の奥をざわつかせていた。もしかして、私のほうで何か重大な問題でも見つかったんじゃないか。だからこそ、家に帰ってから報告書を読むようにと言ったのではないか――そんな考えが頭の中をぐるぐる回る。

 だから、診察室を出て報告書を受け取ったときには、その場で封を切って中身を確かめてしまおう、と決めていた。

 もし、私が催眠にかかっているあいだに、とんでもないことを口走っていたとしたらどうしよう。その内容こそが私の本当の無意識だということになる。そう分かってしまった瞬間、気づいたのだ。私は自分の無意識とさえ、まともに向き合う力がないのだと。

 玄関のところで報...

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