第460章

愛美は、どこか苦いものが混じった笑みを浮かべた。

「もしかしたら、私……あなたたちにここまで決心を固めて話すことなんて、できなかったかもしれないわ」

 愛美のその言葉を聞いて、私はハッとした。以前、私が彼女の元を訪れ、自ら言葉を尽くして語りかけたこと――あれこそが、彼女の頑なな心の扉を開く鍵だったのだと、今さらながらに知る。

 あの日以来、彼女は自身の境遇や生活について私たちに共有してくれるようになり、私たちの間の絆は日を追うごとに強くなっていた。

「はいはい、もうその辺にして。またお母さんに小言を言われちゃうから……」

 私は二人の手に自分の手を重ね、優しく叩きながら声を潜めた。...

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