第47章

「これは旦那様からのプレゼントですのよ、どうして偽物だなんてことがあるの?」

山本美希はかっとなって立ち上がり、会場中の視線が彼女へと注がれた。今や彼女は、完全に場末の笑いものと化していた。

「さあ、どうでしょう? それはお家に帰って、あなたの旦那様にお聞きになってはいかがかしら」

ものの数分も経たないうちに、ウェイターがあのイヤリングを手に戻ってきて、上村愛美の耳元で何事か囁くと、彼女は頷いた。

「山本さん、申し訳ありませんが、こちらのイヤリングはオークションには出品できません。偽物ですので」

「そんなはずないわ! あの人が私に偽物を贈るわけがない! あなたたちの鑑定が間違ってる...

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