第471章

蓮は、これをわざとやっているのだ。

 この場所に盗聴器の類が仕掛けられているかどうかを確かめるつもりなのだ。私と歩美にあえて会話をさせて、相手の出方をうかがおうという魂胆らしい。

 私はすかさず歩美に目配せを送った。

 今日は、その「彼岸花」とかいう名の茶を試してみることにした。

 コードを読み取って注文を済ませ、歩美と適当なデザートもいくつか選んだ。

 しばらくして、あの店員がなぜ注文を急かしたのか、私と歩美は理解した。単純にお茶が出てくるのが遅いのだ。店員が外から声をかけてきたところによると、茶を淹れる手順が厳格に決まっており、所定の時間にならなければ客に出せない決まりらしい。...

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