第475章

母の前にいるときの自分の振る舞いには、私自身でさえ驚かされていた。

以前の私は、こんな風に感情的になったり、些細なことで泣き出したりするような人間ではなかったはずだ。

けれど、私の身にあの出来事が起きてからというもの、世界に対する見方まで変わってしまったように思う。

まるで、あの大病を患うまでの私は、自分を殻に閉じ込め、私だけの完璧な世界で生きていたかのようだった。

そして――夫の恐ろしい陰謀に気付いてしまったこと……。

数え切れないほどの記憶が、脳裏で複雑に交錯していく。

母を抱きしめたまましばらく言葉を交わしていると、母は振り返り、そっと手を伸ばして私の涙を拭ってくれた。

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