第493章

それを聞いて、私は少し首を傾げた。

美玲が自分の実家へ戻ることは、それほど特別なことではないように思える。

林田家であれだけの騒動があった今、実家に出入りできるのは彼女くらいしかいないはずだ。

それに長女として、定期的に蘭の仏壇に線香をあげるような義務もあるのではないだろうか。

私の印象では、林田家はそういうしきたりを重んじる家柄だった。少なくとも、何年も放置するような真似はしないはずだ。

「彼女が実家に帰るのは普通のことじゃない? あっちには他に家もないだろうし……仮にあったとしても、私たちが知る由もないわ」

財産分与の処理に関して美玲は常に翔太よりも巧妙に立ち回っていたし、以...

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