第495章

蓮の話を聞き終えると、私は何度も小さくうなずいた。彼はそっと腕を伸ばし、私の肩を抱き寄せる。そのまま胸元へと引き寄せられ、彼の体に身を預けた。

  どく、どく、と胸板越しに伝わる鼓動。ベランダに満ちる、今となっては贅沢とさえ思える静けさ。その両方に包まれているうちに、張りつめていたはずの心がふっと緩むのを感じてしまう。

  そのとき、ようやく気づいた。これまでずっと、私の上にのしかかっていたのは、どうしようもなく重たい「プレッシャー」そのものだったのだと。

  しばらくして、蓮が口を開いた。

  「由依、実はさ、今いちばん心配しなくていいのは、逆に直也だと思うんだ。あいつのそばには、...

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