第506章

あれこれと思いを巡らせてみても、やはり納得のいく答えは見つけられそうになかった。

きっと、どこかで何かが引っかかっているのだ。

私の知る林田一家のやり方なら、いざ何かを仕掛けてくるにしても、こんな子供騙しのような真似はしないはずだ。

これはむしろ一種の警告であり、あるいは新たな事件の幕開けであるかのように思えた。

そんな考えに囚われながらエレベーターを降り、曲がり角に差し掛かったその時、足早に去っていく人影が視界の端を掠めた。

思わず目を向けると、あろうことか里美だった

彼女の姿を捉えた瞬間、私は無意識のうちに角の陰へと身を翻し、身を潜めた。

そして、スマートフォンのカメラを起...

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