第510章

そんなことを考えているうちに、ふとひらめいて蓮に尋ねた。

 「……あの人が、今でもあそこまで綺麗に保っていられるのって、もしかして全部、後ろにいるその人物のおかげなんじゃない?」

 蓮はこくりとうなずき、紙を一枚取り出して私に差し出した。受け取ってざっと目を通すと、そこには一人の男の資料がプリントされていた。

 名前は古橋要人。

 その資料はかなり詳しくて、いつ頃海外に出たのかまで記されている。ちょうど私が翔太と出会った、あの年だった。

 その特別な年号を見た瞬間、胸の奥で嫌な予感が音もなく広がっていく。

 要人という男は、こっちでずっと貿易関係の仕事をしていて、そのうちに資産を...

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