第512章

ここには穏やかな音楽が流れており、私が想像していたような騒々しさとはまるで違っていた。

バーといえばどこも騒々しい場所だという印象があった。だから、最初に蓮からここへ調査に来るよう言われた時、私は正直少し怯んでいた。

ここで何が起こるか分からない上に、もし環境まで狂暴で落ち着かないものだったら、とても耐えられないと思っていたからだ。

蓮と一緒に足を踏み入れた際、バーの名前がブラッディ・マリーであるのをちらりと見たことを覚えている。

だから最初から、このバーにはどこか残酷な印象を抱いていたのだ。

「このバーの雰囲気、名前とは随分違うわね」

私は歩きながら蓮に言った。

「なんだか、...

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