第519章

振り返ると、直也が両手で目を覆っているのが見えた。ただし、指の隙間はぱっくりと開いている。

「ママ、僕なんにも見てないよ」

直也は頭隠して尻隠さずといった様子で言った。

私は途端に恥ずかしくなった。よりによって直也に見られるなんて。この子はまだほんの子供なのに。

一方の蓮は平然と立ち上がり、歩み寄って直也を抱き寄せると、ついでに携帯電話を抜き取って私に返してくれた。

「直也、おばあちゃんとはどんなお話しをしたんだ?」

子供の注意を逸らすのはやはり簡単で、その言葉を聞くや否や、嬉しそうに指を折り始めた。

「おばあちゃんね、帰ったら美味しいものを作ってくれるって。おしるこも、豚の角...

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