第526章

蓮の視線を正面から受け止めて、胸のざわめきが少しずつ静まっていくのを感じた。いつの間にか背中は冷たい汗でじっとり濡れていて、夜風がふっと吹き抜けると、ぞくりと身震いが走る。

「ごめん、さっきはちょっと心配しすぎた」

 由依は両手で顔を覆い、深く何度も息を吸い込んだ。

 ここで自分まで取り乱してどうするの?

 もうあれだけのことが起きてしまったのに、いまさら何を怖がるっていうの?

 あいつらの狙いなんて、たかが知れている。

 私が追い詰められてメンタルを壊し、狂った女になるところが見たい――きっとその程度。そんな思いどおりになってやるものか。

 蓮が両手で私の顔をそっと包み込む。...

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