第527章

さっきの電話番号をそのまま押して発信すると、三秒も経たないうちに相手は出た。

「……あんたが誰で、何のつもりだろうと、私、絶対に思いどおりにはさせないから」

 冷え切った声でそう告げる。

 だが受話器の向こうは何も答えない。ただ、意味の読めないくくっとした笑い声だけが漏れてきた。

 その笑い声までもが翔太と同じで、ぞわりと背筋に寒気が走る。

 しかも、耳元――いや、首筋のすぐ後ろから聞こえてくるみたいに近い。

 そんな馬鹿な。私の背中側は、ぴったりと壁しかないのに。

「……あんた、誰」

 拳をぎゅっと握りしめて問い詰める。

「分からないのか?」とたん、とろけるような翔太の声...

ログインして続きを読む