第560章 大胆な考え

直也の顔をちらりと見やる。まだまだ遊園地で遊びたい、そんな期待がこれでもかと表情に滲んでいる。

 ここで水を差すような母親にはなりたくない。それに、さっきの男の手首には彼岸花のタトゥーが入っていただけ。今のところ、この遊園地自体にはおかしなところは見当たらないし、こんなに人も多い。そうそう何か起きるはずがない――はず。

「私が神経質になり過ぎてるだけかもしれないね。単に、あの模様が好きなだけの人だっているかもしれないし」

 自分に言い聞かせているのか、蓮に向けているのか、自分でもよく分からない声が漏れる。

 少しの沈黙のあと、私は続けた。

「じゃあ……続きを楽しもうか。ただ、さっき...

ログインして続きを読む