第580章 病院の知人

口元がぴくりと引きつるのを、自分でも止められなかった。今までどうして気づかなかったんだろう。美玲って、こんな図太かったっけ。

「ありがとう。でも、私たちは遠慮します」

そう断ったところで、美玲の携帯がぱっと光った。彼女は唇の端をくいっと上げると、そのままくるりと背を向けて歩き出す。

さっきまでの態度とまるで別人。

――私たちを足止めしてた? そう考えるほかない。ただ、美玲の狙いが何なのか分からない。スーパーの中で、私たちが「会っちゃいけない誰か」と鉢合わせするのを、恐れていた……とか?

蓮と視線を合わせ、うなずき合ってから、私たちは急いでスーパーの中へ駆け込んだ。けれど何も見つから...

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