第584章 遺伝子の一致

「あなたが違うと言えば、そうなるわけではないでしょう? 万が一ということもありますし」

わざと難癖をつけているわけではない。ただ、汐音の急な場所変更という不可解な行動が、私に強い警戒心を抱かせていた。

汐音はじっと私を睨みつけ、苛立たしげに口を開いた。

「じゃあ、一体どうしろって言うのよ」

少し考えてから、私は静かに答えた。

「簡単なことです。場所はこちらで決めさせていただきます。そうでないと安心できませんから」

「……分かったわ」

彼女は奥歯を噛み締めながら吐き捨てた。

私は密かに安堵の息を漏らす。これでずいぶんと手間が省けるというものだ。やはり自分が選んだ場所のほうが、は...

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