第609章 焼肉

最終的にこの件は単なる事故ということになった。車を運転していた男もケガを負ったが、人道的な配慮だとかで、あの母娘にはきちんと示談金が支払われたらしい。

「でも、やっぱりどう考えても、どこか妙なんだよね」

私がそう言いながら、歩美たち一人一人の前にマグカップを置く。

今、私たちは全員、私と蓮の部屋に集まっている。これまで出てきた情報や手がかりを、もう一度ここで整理し直すためだ。

海産物店や喫茶店の件はひとまず置くとしても、あの男の起こした交通事故一つ取っても、どうにも引っかかるところが多すぎる。

「私たちも、あの事故はできすぎてるって思ったよ。でも、あの男、自分から慌ててあの交差点に...

ログインして続きを読む