第642章 解けない

私たちは皆少し緊張していて、あの男がドアを蹴破って入ってくるのではないかと、ドアから片時も目が離せなかった。

その時、私の携帯が鳴った。

「由依、どの個室にいる? 俺と弘之で今着いたところだ」

蓮の声には、わずかに焦りが滲んでいた。

私は慌てて個室の部屋番号を伝えた。

しばらくすると、ドアの外から騒がしい音が聞こえ、どうやらあの男は取り押さえられたようだった。

「由依、開けてくれ」

同時に、ドアの向こうから蓮の声がした。

私は安堵の息を漏らし、愛美たちを振り返ってから、ドアを塞いでいたテーブルなどをどかして鍵を開けた。

「大丈夫だったか?」

弘之が心配そうに尋ねてくる。

...

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