第646章 三度目の問い

その言葉に、私は思わず呆然とした。そんなこと、まったく身に覚えがなかったからだ。

「いつ見せてくれたんですか? 私、全然記憶になくて……」

蓮は書類を一部取り出し、私に差し出した。

「この書類と一緒に渡したんだよ。君は、その人の顔に少し見覚えがあるって言っていたんだが」

けれど、どうして私には微塵も記憶が残っていないのだろう。

書類袋を開け、中から直接写真を取り出した。

確かに見覚えはある。けれど、この写真を見たという記憶自体が、私の中にはどうしても見当たらなかった。

しかし、蓮が私に嘘をつく理由もない。だとしたら、本当に私が忘れてしまっただけなのだろうか。

だが、これほど重...

ログインして続きを読む