第658章 携帯

愛美の無事な離婚を祝うため、私たちは内輪だけのプライベートなパーティーを開いた。

他の参加者はなく、気心の知れた友人たちだけだ。

「なんだかまだ現実感がないわ。こんなにあっさりと離婚できちゃうなんて」

愛美は自分のグラスに酒を注ぎ、少しぼんやりとした表情を浮かべた。

「現実感がないなんてことないわよ。もう少し経てば、嫌でも実感するようになるから」私は自分のグラスを手に取り、愛美のグラスに軽く合わせた。

実は、翔太と離婚した時、私も同じような感覚に陥った。あの頃は頭がぼんやりとして、まるで海水に浸かって腐りかけた死体のようだった。

でも、今では少しずつ立ち直りつつある。ただ、過去の...

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