第662章 ハイになった

目の前にいる蓮を見つめ、少し口ごもりながらも、もう一度尋ねた。

「私は誰? 教えて、私は誰なの?」

「君は北村由依だ」

蓮は私を真っ直ぐに見据え、一文字ずつ噛み含めるように言った。

私はふっと口角を上げた。そう、私は北村由依だ。

一晩寝ただけで記憶喪失になり、自分のアイデンティティを忘れるほどヤワではない。

夢の光景がどれほどリアルだったとしても、所詮は夢に過ぎないのだ。

「一体何があったのか、そろそろ教えてもらえないか?」

蓮が心配そうな眼差しを向けてくる。

私は彼の手首をそっと握り、見たばかりの夢の内容をすべて打ち明けた。

話を聞き終えた蓮の眉間には、深いシワが刻まれ...

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