第665章 ただ話すだけ

ホテルを出たその瞬間――あの二組に行く手をふさがれた。

ついさっきまで殺し合いでも始めるんじゃないかって勢いでやり合っていたくせに、今は息ぴったりとばかりに、矛先を一斉にこちらへ向けてくる。

「お前ら、何者だ? ここ一帯は、もう俺たちが締め出してんの分かんねえのか?」

リーダー格の男が眉をひそめてきた。

私は蓮を一度だけ見やり、それからわざと怯えたふうに声を震わせる。

「ど、どういうことですか……? 何も知らないんです。ただ旅行で来てて……ホテルからも何も言われてなくて」

二組の連中は、私たちが漁夫の利を狙いに来た連中だとでも思ったのか、じろじろと長いこと値踏みするように見つめて...

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