第69章

林田翔太は不満げに言った。「部屋でやればいいじゃないか?」

「あの人がいつも言いつけてるのよ。今日の宿題は親と一緒にやるようにって。小さい頃から子供に嘘をつく習慣をつけさせちゃダメでしょ!」

私は真面目な顔でそう言った。

林田翔太は私の言葉にぐうの音も出なかったが、不機嫌になるでもなく、むしろ招待状を手に取って何度も繰り返し眺めている。

私は彼をちらりと見た。「今回はアシスタントを二人まで連れて行けるそうだけど、誰を連れて行くつもり?」

「前に言ったでしょ、上村さんと一対一で話す機会があるかもしれないって。それに、海外からのお客さんもいるかもしれないから、英語ができて、場慣れした人...

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