第712章 誘拐された

その言葉を聞いた瞬間、反射的に由芽の差し出した手へと自分の手を重ねていた。言っていることが、妙に筋が通っているように思えてしまったのだ。

「男なんてろくなやついないわよ。いっそ全部、殺しちゃおうか」

 自分の口から「いいね」なんて言葉がこぼれ、こくりと頷いていた。

 由芽に手を引かれ、そばに停まっている車へ向かおうとした、そのときだった。携帯が突然鳴り出す。

 着信音は、直也と西田蓮の会話を録音したもの。

 その一瞬で頭がすっと冴え、私は勢いよく由芽の手を振り払った。

「……あんた、私のこと、なめてたわね。催眠まで使えるなんて」

 いつの間に由芽の声に絡め取られていたのか、自分...

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