第719章 向かいにもう一軒ある

車で由芽のところへ向かう前に、まずは松本弘之と小林奈菜に協力してもらい、タトゥーショップへ潜り込むことになった。

店の近くのコインパーキングに車を停める。ふたりは恋人同士を装って車を降りると、そのまま隠しカメラのスイッチを入れた。

私と西田蓮は、車内のモニター越しにふたりの様子を見守る。

小林奈菜と松本弘之がタトゥーショップに入っていく。店の中には、驚くほど誰の姿もなかった。

ふたりは目と目を合わせると、出入口から少し奥まったあたりに立ち、声を張る。

「すみませーん、どなたかいらっしゃいませんか?」

ほどなくして、奥からガタイのいい男がのしのしと出てきた。両腕一面に広がる刺青の上...

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