第724章 息苦しい父親

私はあわてて上村愛美の肩をぽんぽんと叩き、そっと彼女の体を横へ押した。

「……よし、じゃあさ。具体的にどういう話なのか、ちゃんと教えてくれる?」

 上村愛美はこくりとうなずき、小さく「うん」と声を漏らしてから、椅子に腰を下ろし話し始めた。

「相談に来たのは二十歳ちょっとの女の子でね。自分でバイトして学費を稼いで、なんとか大学を出た子なの」

 そこまで言うと、上村愛美はふうっとため息をつく。

 言いたいことはよく分かった。きっと、その女の子があまりにも不憫なんだと思っているのだ。

「その子自身はすごく努力家で、話だけ聞いても感心しちゃうくらいなんだけど……家にいるのが、まったく働か...

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